解の線型独立性

解の線型独立性

解の線型独立性の判定に関しては、2階の場合を以前の記事で見ました。

ここでは、任意のn階にまで拡張した定理を見ます。

そこで重要になるのが、次のように定義される、n個の解 y_1,…, y_n のロンスキー行列式です:

y_1,…, y_n が x に依存しているため、W も x に依存します。

簡単に結論を言ってしまうと、これらの解が基底をなす(線型独立である)必要十分条件は、W≠0 であることです。


上の結論は、より正確には、次のようになります。

斉次なn階線型微分方程式:

が、ある開区間 I において連続である係数 p_0(x), …, p_(n-1)(x) を持っているとします。

このとき、I における n個の解 y_1, …, y_n が I において線型従属であることの必要十分条件は、それらの解のロンスキー行列式が I 内のある点 x = x_0 において 0 であることです。

さらに、もしある点 x = x_0 においてWが 0 であるならば、I においてWは恒等的に 0 です。

したがって、 W が 0 でない点 x_1 が存在するのであれば、y_1, …, y_n は I において線型独立であると言え、それらは I のおける:

の解の基底をなします。


証明:

(a)
y_1, …, y_n が I における線型従属な解であるとします。このとき、定義により、I におけるすべての x において、すべてが0ではない定数 k_1, …, k_n が存在し:
k_1y_1 + … + k_n y_n = 0
を満たします。

この式の n-1 個の導関数を考えることにより、I におけるすべての x において:

という式たちが得られます。

これらの n 個の式は、線型方程式系(連立方程式)であり(k を未知数としている、と考えます)、k_1, …, k_n が非自明な解になっている、とらえることができます。

クラーメルの定理により、係数行列の行列式は、I におけるすべてのx に関して、0にならなければなりません。

この係数行列は、上で紹介したロンスキー行列式ですので、I におけるすべてのxに関してWは0になります。


(b)
逆に、もし x = x_0 においてWが0であるならば、k を未知数とする連立方程式系:

k_1y_1 + … + k_n y_n = 0

は、クラーメルの定理により、x = x_0 で、すべてが0ではない解:

を持ちます。

( (a) のときのk の値と異なっていても構わないので、アステリスクが付いています)

これらの定数を使って、I における:

の解を:

と定義します。

線型方程式系により、この解は初期条件:

を満たします。

( x=x_0 のときの線型方程式系の解がk_1^(*), …, k_n^(*) だからです)

ここで、初期条件を満たす別の解は、y≡0 ですが、解の一意性により:
y^* ≡ y
です。

したがって、I において:

が成り立ちます。

これは、I において y_1, …, y_n が線型従属であることを意味しています。


(c)
もし I 内のある点 x=x_0 においてW=0 であるならば、(b) によって線型従属性が示され、そして(a) によって、W≡0 が示されます。

したがって、もしI 内のある点 x_1 においてWが0でないならば、y_1, …, y_n は線型独立でなければなりません。
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