スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

源氏物語:翼をならべ、枝をかはさむ(白文・書き下し文)

源氏物語:翼をならべ、枝をかはさむ(白文・書き下し文)

(桐壺)

命婦は、まだ大殿籠らせたまはざりけると、あはれに見たてまつる。

御前の壺前栽の、いとおもしろき盛りなるを、御覧ずるやうにて、忍びやかに、心にくき限りの女房、四、五人さぶらはせたまひて、御物語せさせたまふなりけり。

このごろ、明け暮れ御覧ずる長恨歌の御絵、亭子の院のかかせたまひて、伊勢、貫之によませたまへる、やまと言の葉をも、唐土の詩をも、ただその筋をぞ、枕言にせさせたまふ。

(中略)

かの贈り物御覧ぜさす。

「亡き人のすみか、たずねいでたりけむしるしの釵ならましかば。」

と思ほすも、いとかひなし。

たづねゆくまぼろしもがなつてにても魂のありかをそこと知るべく

絵にかける楊貴妃のかたちは、いみじき絵師といへども、筆限りありければ、いとにほひ少なし。

太液の芙蓉、未央の柳も、げに、かよひたりしかたちを、唐めいたるよそひは、うるはしうこそありけめ、なつかしうらうたげなりしをおぼしいづるに、花鳥の色にも音にも、よそふべき方ぞなき。

朝夕の言ぐさに、

「翼をならべ、枝をかはさむ。」

と契らせたまひしに、かなはざりける命のほどぞ、尽きせず、恨めしき。

(引用:大修館 『精選 古典B』)
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

main_line
main_line
プロフィール

batmitzvah

Author:batmitzvah

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。