1のn乗根

1のn乗根

z^n =1 を満たす複素数zを、1のn乗根(エヌじょうこん)といいます(nは自然数)。

ド・モアブルの定理を利用し、1のn乗根を極形式で求めてみます。

まず、具体例を示し、その後で一般化します。


1の3乗根を考えます(これらの値は、数Ⅱで求めてあります)。

1の3乗根とは、z^3=1 を満たす複素数zです。

極形式で考えるとすると、z=r(cosθ+i sinθ)とまずおけます。

ド・モアブルの定理より、左辺=z^3=r^3(cos3θ+ i sin3θ) です。

また、右辺=1=cos0+i sin0 です。

よって:
r^3(cos3θ+ i sin3θ) = cos0+i sin0
となります。

左辺と右辺を比較すると、まず、r^3 = 1 であり、rは0より大きい実数ですから、r=1 です。

また、3θ=0+2kπ(kは整数)となります (ここでは、まだθの範囲に制限を考えていません)。これより、θ=(2/3)kπとなります。

以上のrとθの値を、z=r(cosθ+i sinθ)に代入すると:
z=cos((2/3)kπ)+i sin((2/3)kπ)
となります。

0≦θ<2π の範囲で、kの値を求めることを考えます。θ=(2/3)kπ より、0≦(2/3)kπ<2π であり、全体に3/(2π)を掛けると、0≦k<3 です。

kは整数ですから、これを満たすkの値は、k=0, 1, 2 です。

z=cos((2/3)kπ)+i sin((2/3)kπ) に、k=0, 1, 2 を順に代入していくと:

k=0 のとき、cos0+i sin0 = 1
k=1 のとき、cos((2/3)π)+ i sin((2/3)π) = (-1+√3i)/2
k=2 のとき、cos((4/3)π)+ i sin((4/3)π) = (-1-√3i)/2

となります。

kが3増えると、θは2π増えることになり、同じ動径を表します(k=0とk=3 のとき、同じ動径を表す、などということです)。0≦θ<2π の範囲であれば、1の3乗根は上の3つです。

上の3つの絶対値は、全て1です。

また、偏角は、0, (2π)/3, (4π)/3 であり、偏角は (2π)/3  ずつ増えていきます。

よって、1の3乗根の3つの値は、複素数平面上の単位円に内接する正三角形の頂点になっています:

(ω=(-1+√3i)/2 としました)


上のことを一般化すると、次のように言えます。

1のn乗根は、次のn個の複素数です:


1のn乗根の絶対値は、すべて1です。

また、z_k の偏角は、順に:
0, (2π)/n, (4π)/n, … {2(n-1)π}/n
となります。すなわち、(2π)/n ずつ増えていきます。

以上より、点z_k のそれぞれは、単位円に内接する正n角形の頂点になります(偏角が同じで2辺の長さが同じである三角形(合同な三角形)がいくつも出来ているのが簡単に確認できますから、単位円に内接している図形は正n角形です)。
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